最後に見たのは、いつだったのか。
聞かれたから、ほんの少しだけ考えるふりをした。萎びてカラカラの瓜みたいに、いくら捻ろうが、絞りかす一つ出はしないのに。忘れたと返すと、そいつはただ頷いて、豆粒よりもちっぽけな星へと目を戻す。いつまでそうするのかと尋ねてみれば、伸びた手が額に被せられた。降りた影の向こうで、その曖昧な笑みが何故だか頭の隅に浮かびあがる。これと言ってすることもないから瞼を閉じた。それから何か話したような気もする。一言、二言。底に沈むまで。
当然、その夜も、夢は見なかった。
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